未来
雨上がりこんなに空は青いのに長靴はいてジャンプする夏
小さくて、危なっかしくて目が離せなかった幼子が
ランドセルを背負って、ひとりで横断歩道を渡るようになった。
その成長をみるたびに、ひっそり忍び寄る老いを感じることがある。
いやまだどこかわたしにも成長できる箇所があるのかもしれない。
そうこれからできるなにかがきっと、ある。
雨上がりこんなに空は青いのに長靴はいてジャンプする夏
小さくて、危なっかしくて目が離せなかった幼子が
ランドセルを背負って、ひとりで横断歩道を渡るようになった。
その成長をみるたびに、ひっそり忍び寄る老いを感じることがある。
いやまだどこかわたしにも成長できる箇所があるのかもしれない。
そうこれからできるなにかがきっと、ある。
終わりです終わりの時が来たのです。影を踏みつつ去ってみますね。
時とは残酷なものである。
時間の中で人は変わってゆくからだ。
本人が望むも望まないにしても、誰しもが変わってゆく。
巡り合った時から、別離への道が始まるのだ。
今日そっと別れを呟いた。
この本の25頁に隠れてた痩せた横顔しじまになぞる
秋の夜長に子猫を膝に乗せながら本を読む。
繰り返し読む本は懐かしく、昔を思いださせる。
子猫のごつごつした背骨も懐かしい人を彷彿とさせる。
黒革の表紙を開けばあなたはそこにいる。
やさしい時を張り巡らせて柔らかな毛布の中と
子猫の温かさに胸が痛む。
手のひらで産まれたような猫を抱くしめった体温こわさぬように
緑がまぶしい5月に仔猫を拾った。
やせっぽちで背骨がごつごつと浮き出たような身体をしていた。
捨てられたのか、親猫とはぐれたのか定かではないが
拾ったときから人に怯えることもせず、甘えてくるこだった。
我が家の猫たちともようやく慣れ今では元気に家中を走りまわっている。
このちいさなものと巡り合えてよかったとこころから思う。
陽のあたる窓辺でひかる髪を梳くあなたの母になってみたいと
こどもの成長はなんと早いものだろう。
髪がぽやぽやでまったく伸びず、だいじょうぶかと心配したのが
昨日のことのように感じる。
肩まで伸びた髪で時おりひどく大人びた顔をすることがある。
どんな大人になるのだろう。
楽しみでもあり、いつまでも子供のままでいて欲しい、それが本音だ。
雨音を聴いて手袋ぬぎすてる蕾ふくらみ触れ合う指先
暖かくなったと思ったら今夜は冷たい雨。
この雨は春を連れてやってくる、冬の別れの雨だ。
もうウールのコートやマフラー手袋ともさようなら。
ベランダの小手鞠がいまかいまかと咲くときを待っている。
春の眩しさは少し苦手だが心静かに花でも愛でよう。
おやすみと黒猫の頭なでながら光らぬスマホ強制終了
寒い冬のあいだは暖房の入らないわたしの部屋に猫はなかなか寄りつかない。
仕事に行っている間にベットに潜り込んでいるくらいだ。
けれど朝は必ずといっていいほどドアをカリカリとやりわたしをたたき起す。
水を飲みにやってくるのだ。
リビングとキッチンそれぞれに水は置いてあるのだが
なぜか朝はわたしの部屋の水を飲みたがる。
やはり猫も冷たい水がおいしいと思うのだろうか。
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