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それからね、ぬくい毛布になりたいの くるんと包んでぎゅっと抱かれて
秋風に頬を染めあげ吾亦紅 小首をかしげあなたを呼んだ
かくれよう さぁかくれよう さみしさがやってくるまえ眠りのなかへ
家のない星が流れてゆくところ 夢みる人のぬくもりのなか
星のない夜に星たち数えます 流れる星を貼りつけながら
ねむれずに消炭色にそまるきみ 金平糖をだきしめながら
手のひらのラムネをなげて星つくる それが宇宙のはじまりでした
かなしみの夜を蹴飛ばしシーソーする あなたでなけりゃ嫌だと泣いた
キラキラと瞬くことが仕事です 三日月の右やや斜めした
猫のびるまろやかな午後とろけだし あくびで目尻になみだをためた
ため息の踏み切り渡った向こうがわ夕日に染まるひぐらしの声
約束の賞味期限が切れるのは あのお日さまが墜ちてきたとき
たそがれを薄く流してくるりと巻いてフライパンな夜がはじまる
下駄をはく爪さき紅くはにかんだ ほら朝顔がしじまに惚れた
こんもりと溢れでそうで溢れない 表面張力今夜もセーフ
黒猫が二度あくびしてのびをする金の目溶ける夕暮れの海
夕暮れが寝床をさがし泣いているあるじのいない枕貸します
砂のなかきらきら光る粒ひろう 雲母でしょうか、いいえあなたです
熟れすぎたトマトが割けてあふれだす ざぶんざぶんと満ちてくる海
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